The World Commentary No.40

414ppmは下がるか?:温暖化の危機は続く

414ppm。ppmは大気中の分子100万個にある物質の個数を示す単位で、この場合の物質は二酸化炭素だ。「人類の物語を明らかに示してくれるのがこの数字だ」と始めた95歳の自然保護活動家デービッド・アッテンボロー卿(写真)は、この数字を下げることができれば人類の将来を救うことになるとCOP26(第26回国連気候変動に関する政府間パネル会議)のスピーチで訴えた。約一万年間270ppmで安定した大気の二酸化炭素濃度は産業革命以降414ppmに急上昇し、地球は温暖化し、世界を異常気象が襲っている。

第26回という回数が示すとおり、毎年の会議で効果のある対策が後回しになることに不満を表明する若者は多い。開催地のグラスゴーでは”How Many Cops to Arrest Climate Chaos?”(気候変動のカオスを止めるには何人の警察官が必要なんだ?)と、会議の略語COPを警察官を意味するCopとかけ、会議を揶揄する若者達もいた。

将来を危惧する若者の期待を背負って2週間にわたり議論された温暖化対策は、若者の期待には届かなかった。主なものを紹介しよう。第1に、現状の二酸化炭素の削減目標では産業革命以前と比べ気温上昇を1.5℃以下に抑えることができないので、さらなる排出削減は来年のCOP(エジプト)で決めると、決断を後回しにした。第2に、二酸化炭素排出量の4割を占める石炭の使用(主に火力発電所)を廃止する(phase out)案は削減する(phase down)に変更され、石炭は生き残

った。第3に、技術と資金をもつ先進国が途上国へ支援する温暖化対策資金の金額は、今回先進各国が表明した金額を合計しても2009年に約束した資金供与額に届かない。

発電量の7割以上を火力発電に依存する日本は肩身の狭い思いをした。岸田総理は衆院選直後にとんぼ返りのCOP26出張で演説し、日本は「アジア全体のゼロエミッション化を力強く推進」すると表明した。一方、日本での電気自動車の開発と普及はEU・中国・アメリカに大きく引き離されている。衆院選でも地球温暖化は大きな争点にならなかった。グラスゴーの様子と日本国内の様子に大きなギャップがあるようだ。

414ppm。この数字は下がるのだろうか?気象庁の以下のHPで確認できるので、将来もっと温暖化の影響の直撃を受ける若者層に見てほしい。

https://ds.data.jma.go.jp/ghg/kanshi/ghgp/co2_trend.html