イラン戦争開始日(2/28)、イラン南部ミナブにある小学校へのアメリカによるミサイル攻撃で児童含む168名が死亡した。使われた巡航ミサイル「トマホーク」の燃料が激しく燃える中で他界した児童たちのことを思うと、非常に辛い。
イスラエルとアメリカによるイラン攻撃は2月11日に決定されていたようだ。ネタニヤフ・イスラエル首相はトランプ大統領と共にホワイトハウスの地下にある「危機管理室」でイラン攻撃作戦を議論した。その作戦は、まずイランのリーダーを殺害し、軍事基地を壊滅させ、イラン国民を反政府デモに立ち上がらせ政権転覆を達成する、という計画だったと報道されている(New York Times, April 7, 2026)。
イスラエルとアメリカによる攻撃は、イスラム教シーア派の世界的リーダーであるハメネイ師他、民間人数千人を殺害したが、イラン国民の結束は強くなり、イラン軍は湾岸諸国のアメリカ軍基地や石油関連施設とイスラエルにミサイルとドローンで反撃した。
結果、ペルシャ湾のホルムズ海峡は実質的に閉鎖された。石油価格は急騰し、化学肥料やナフサの流通は激減した。世界のインフレは加速し、アメリカ含む各国国債の利回りは上昇し財政を圧迫している。
イスラエルの利益を先行した戦争だと主張し辞任した(3/17)ケント米国テロ対策センター長は、この戦争はネタニヤフ氏の「圧力(pressure)」の結果トランプ氏が始め、米国の国益に沿わない、と明言している。その「圧力」の内容は明確ではないが、イスラエル団体によるトランプ氏への政治資金支援や、トランプ氏の不適切な性交渉の録画(いわゆる「エプステイン・ファイル」)の公開を脅しに使っているという噂もある。
イスラエルはイラン政府の転覆を目標にしている。アメリカは、イランの兵器含む核開発能力の完全除去を要求するが戦争継続には躊躇する。イランは経済制裁解除と核開発能力の維持を目標として、再攻撃に対しては親米の湾岸諸国のみならずイスラエルへの攻撃を約束する。
4月の「停戦」以降、アメリカはイランの核開発能力の完全除去を条件に経済制裁解除をちらつかせるが、イランは制裁解除とともに核開発の能力維持を求めている。さらに、イランは船舶通過料の課金を求めている。
アメリカ国民に不評なイラン戦争の泥沼化で、11月3日のアメリカ議会中間選挙で与党共和党が敗北する可能性が出てきている。ネタニヤフ首相からの「圧力」の中で、体面を重視するトランプ氏が「勝利」宣言できる戦争終結は可能だろうか。
国益の追求が対立する中、その対立バランスを崩し自国に有利な状況を作るために戦争は行われる。現状はイランに有利な状況が続く。ロシアと中国はイランを支持し、ユーラシアの結束は進む。有事の際に湾岸諸国をイランの攻撃から守れないアメリカを信頼していいのか?