NHK朝ドラ「おかえりモネ」は気象を通じ自然環境について意識喚起するドラマで、まさに英グラスゴーで11月に開催されるCOP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)に向けて時宜を得たドラマだ。地球温暖化対策を推し進めたい国際社会は、今月英国コーンウォールでのG7首脳会議に続き、7月にはイタリアでG20気候・環境大臣会合、10月にはローマG20首脳会議、同月中国では生物多様性条約第15回締約国会議が予定され、COP26へ繋がる温暖化対策の忙しいスケジュールをこなす。
排出される二酸化炭素の約80%(2019年データ)はG20メンバー各国からのものであるから、G20が足並みを揃えて温暖化ガス削減を実施することが大切だ。
気になるのは、地球温暖化対策にかかる資金負担と、技術移転のための特許権の壁という2点だ。技術と資金を持つ先進国とそれらに乏しい開発途上国の差は、地球規模課題の解決の足枷になる。端的な例は、新型コロナウイルスのワクチン製造と接種の過程で明るみになった先進国と開発途上国の格差である。このワクチン製造の特許権は発明者のいる先進国に守られており、主にインドと南アフリカからのワクチン特許権の放棄の呼びかけは実現していない。
感染症は、身近で、それも短期間で症状が出るので個人の意識を喚起しやすいが、地球温暖化はゆっくりと進む地球環境のいわば「病気の症状」なので個人にとっては気づきにくい。
一方、地球温暖化対策は、脱炭素社会作りに向けた電気自動車など新製品の開発と販売、AIを駆使したサービスの開発と提供など目に見える大きなビジネスチャンスである。エネルギー供給の分野も然りで、再生可能エネルギーを主力電源とする取り組みや、蓄電池の開発と製造は、「グリーン成長」の看板の下、先進国の企業が我先へと激しく競争する分野だ。
だからこそ課題となるのが温暖化対策の資金負担と特許権の問題だ。パリ協定の第10条は開発途上国に対する技術開発と移転を呼びかける。この呼びかけに応じて先進国は自らの技術と資金をどのように開発途上国へ提供するのだろうか?
各国政府は、自らの国民を中心に政策の優先順位を考えなければならないが、地球規模で進む温暖化を止めるためには自国優先主義は適さない。先進国と途上国のやり取りに焦点を当て、地球温暖化対策を注視していこう。