まず、欧州でガソリン、ディーゼル車の新車販売を禁止する国々とその開始年をリストする:ノルウェー(2025年)、デンマーク、スウェーデン、オランダ、ドイツ、イギリス、アイルランド、アイスランド(2030年)、フランス、スペイン(2040年)。アメリカではカリフォルニア州(2035年)。中国はガソリン車販売禁止(2035年)。日本は2035年をそのターゲットとするが、東京都は5年前倒しの2030年までに実施という方針を打ち出した。
なぜ自動車が電力と水素駆動へシフトするのか?温室効果ガスの約20%が自動車からの排気ガスであるからだ。そのため、車の排気ガスの抑制は、2015年12月に採択された「パリ協定」の約束(世界全体の平均気温の上昇を工業化以前よりも1.5℃高い水準までに制限する努力を継続すること)を守る大切な政策となる。
その「パリ協定」から11月4日に正式に脱退をしたのがトランプ政権下のアメリカだ。アメリカは温室効果ガス排出ランキングでは中国に次いで2番目であり、一方、脱温室効果ガス技術の製品化(電気自動車の先駆けテスラが良い例)では世界トップの重要国だ。自動車大国アメリカの脱退は世界の温暖化対策にとり大変な痛手だった。
そのアメリカが「パリ協定」に復帰する。バイデン次期大統領のツイッター(12月12日付)である: ”Five years ago today, the world gathered to adopt the Paris Agreement on
そのバイデン次期大統領は、「パリ協定」採択当時国務長官だったジョン・ケリー(写真)を気候変動対策担当特使に任命。この特使ポストは大統領直轄の国家安全保障会議内に設置されるので、気候変動政策がアメリカの安全保障政策の一つとなる。
次の節目は2021年11月にイギリス・グラスゴーで開催予定の第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)だ。これへ向け、各国政府は温室効果ガス削減時期の繰上げ合戦を繰り広げている。菅総理はバイデン次期大統領と同じく、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする目標を掲げる。EUも同様である。一方、習近平国家主席は2060年までを目標とすると今年9月に発言した。
冒頭で示した自動車産業のシフトは各国の温暖化対策を示す指標であるので、これから道路でどんな車が走るか注目していきたい。