昨年12月15日にポーランドの炭鉱地カトヴィツェで閉幕した国連気候変動枠組条約第24回締約国会議(COP24)は、パリ協定実施のガイドラインを徹夜の連続の末採択した(温室効果ガス排出量の算定方法と報告義務など)。その達成感を表現するためにポーランドの議長は採択直後議長席を飛び越しジャンプした(写真)。2020年から実施されるパリ協定では、地球温暖化を産業革命以前との比較で摂氏1.5度を下回る水準に抑えるように各国が努力し、長期目標としては2度以下に抑える努力をするとした。
ただ、1.5度に抑える目標を達成するためには、温室効果ガス削減の大胆な施策が早急に必要であり(2050年には二酸化炭素排出をゼロにする等)、2度の上昇は地球環境に壊滅的な結果をもたらすことがその2ヶ月前の国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告で指摘されていた。IPCCは気候変動を科学的に評価する国連機関で、日本人を含む専門家集団が定期的に政策提言をしている(今年のIPCC総会は5月6〜13日に京都で開催予定)。
事実、海面上昇、極端な旱魃、洪水、森林火災や台風などの大規模自然災害の発生は世界的に認知されつつある。同時に、経済発展のためのエネルギー生産と消費が石油や石炭という化石燃料に社会全体が依存しており(ガソリン自動車と火力発電所が象徴的な例)、その依存体制と既得権益からの脱出のためには長期的視点が必要である点も指摘されている。
しかし、人間の本性は長期的視点を避ける傾向がある。2050年の温室効果ガス排出ゼロのために今日からペットボトル(プラスチックは石油から作られる)の使用を停止しマイボトルに切り替える読者は少ないだろう。コンビニでペットボトルのジュースを購入することが安易(正にconvenient)であるからだ。加えて化石燃料からの転換にはお金がかかる。2050年の温室効果ガス排出ゼロのために課税して欲しいという読者はもっと少ないかもしれない。そして温室効果ガス削減の効果は見たい時に見えない。マイボトルを使い始めて1年後に極端な洪水がなくなることは無いだろう。そう、100年単位の長い目で地球環境を考え、税金を追加に払い、次の世代に効果が出ると信じて地球を守る覚悟が一人一人に要求される。人間の本性に逆行するこのような困難なことをやるためには、その本性の再定義が必要である。その再定義はどうすれば可能なのか?一緒に考えて欲しい。