The World Commentary No.4

アメリカ中間選挙と投票率

アメリカの中間選挙は4年に一度、大統領選挙と2年ずらして行われる選挙である。ここでは上院の三分の一(33か34)と全ての下院(435)の議席が改選される。加えて、州によっては知事選挙や地方議員選挙、住民投票が行われる。アメリカのデモクラシーにとって重要な日といえる。とはいえ普通、中間選挙はそれほど盛り上がらない。大統領選挙の投票率は50%~60%だが、中間選挙の投票率は40%前後である。

ところが2018年の中間選挙は様相が異なった。本稿執筆時点(11/14)でまだ開票作業が続いている地域があるため正確な投票率は出ていないが、例年になく高い数字が出る可能性がある。フロリダ大学のマイケル・P・マクドナルド准教授は49.2%と試算しており、もしもこれが正しければ過去100年で最も高い数字となる。ちなみに2014年の投票率は36.7%だった。国内外で「トランプ大統領の信任投票」として注目を集めた結果であると分析されているが、より明確にするならば、大統領支持派と批判派が拮抗しているからこその結果であると考えられる。一般的に、事前の予想が接戦であればあるほど投票率が上がるからである。

今回の投票率上昇の原因と影響についてはさらなる情報を待たなければならないが、開票結果を見る限り、投票率の上昇は民主党支持者と共和党支持者それぞれに起きたといえるだろう。   

日本では投票率が上がれば野党の議席数が増えると想定されているが、アメリカでは結果はまちまちとなった。ネイティヴ・アメリカンやムスリムの女性候補者が当選し、またコロラドで同性愛を公表している知事が誕生したことは、民主党への支持が増えたことを表している。一方で、中西部や西部、南部の農村部における共和党の盤石さも明らかになった。

アメリカ社会は分極化を強めている。白人の共和党支持率は高く、黒人とラティーノはどちらかといえば民主党を支持する傾向にある。社会階層や教育レベルでも違いが指摘されている。2年後は大統領選挙の年であるため投票率は上がるだろう。人口動態としては、これから白人の割合が減少していくが、これは単純に民主党有利には働かない。「多からなる一」言説の支持が広まらない限り、このトレンドは続く。